年越しZope-2.11.0-b1¶
12月28日に Zope-2.11.0-b1 (β1)がリリースされました。ということで、CHANGELOG.txt を翻訳してみました。MailHostの実装変更はjaMailHostあたりに影響がありそうな気がします(未確認)。
Zope-2.11.0-b1の概要
最新のZopeコンポーネント(Zope-3.4.0)を組み込んでいます
BLOB(binary large objects)に対応したZODB 3.8にアップデートしました
トランザクション対応のMailHost実装に対応し、非同期でメール送信を行うようになりました
Zope-2.11.0-b1の変更点
再構築(Restructuring)
メソッド manage_afterAdd, manage_beforeDelete, manage_afterClone の deprecation警告をdiscouraged警告に変更した。これらのメソッドは Zope2.11では削除されないことになったが、近い将来無くなるだろう。イベ ントの仕組みを使うことを強く推奨する。
2つの宣言の実装をFiveから実クラスへ移動した。
Document.sequence: zope.sequencesort に置き換えた。
全てのProductsフォルダ(zopeやzope.appフォルダ)はsetuptools名前空間パ ッケージで定義されるようになった。詳しくは以下のURLを参照。 http://peak.telecommunity.com/DevCenter/setuptools#namespace-packages
ZPT: ZPT警告の画面表示を削除。zope.pagetemplateの実装から削除されたた め。
パッチ当て版ではない標準のdocutils 0.4 をZopeに同梱した。Both trusted and untrusted code are stillprotected against unwanted file inclusion.
ZGadflyDA を削除した(Zope 2.9からdeprecated)。コードは以下から取得可 能。 http://svn.zope.org/Products.ZGadflyDA
OFS.content_types を削除した(Zope 2.9からdeprecated)。
zLOGのdeprecatedを解除。まだ後方互換性のために必要。(which will remain a backward-compatibilityshim for the Python logging module.)
Indexes: 使用されていないパラメータを '_apply_index' メソッドから削除
'__ac_permissions__' と 'meta_types' 属性によるプロダクトの初期化の素 賞されないサポートを削除。
- reStructuredText/ZReST: セキュリティー上の理由により、raw_enabled を
0 に設定。
OFS Image: 画像とファイルでisinstance(data, str)を使うように更新し、 unicodeオブジェクトに遭遇した場合はTypeErrorをraiseするようにした。
OFS Application: deprecation warnings (推奨しないことを表す警告) を更 新した。 '__ac_permissions__' と 'meta_types' サポートをZope 2.11で削 除し、 'methods' サポートはまだ残す。
機能追加(Features added)
Zope2 startup: ZopeはDatabaseOpendとProcessStartingイベントを起動時に 送るようになった。
Testing.ZopeTestCase: "ZopeLite" テストレイヤーを導入した。これはZTC と非ZTCテストをより手軽に混在させることが可能とする。
Testing/custom_zodb.py: DemoStorage以外のストレージ使用のサポートを追 加した。FileStorageは $TEST_FILESTORAGE環境変数によってカスタム Data.fsをマウントできる。ZEOサーバーは$TEST_ZEO_HOSTと$TEST_ZEO_PORT 環境変数で設定できる。この新しい機能により、標準のZopeテストランナー で既存のZopeインストール環境のためのテストを書き、実行することが出来 るようになる。
ZPublisherのHTTPリクエストに、Zope3に相当するdebugとlocaleの属性を持 つようになった。debug属性は今までのところ、Zope3 ZPTエンジンを働かせ るようにzope.*名前空間からコードに制限されました。locale属性は zope.i18n.interfaces.locales.ILocaleオブジェクトへの、localeに関連し た情報(日時のフォーマット情報、言語変換、国名など)付きでのアクセスを 提供する。Form variables of both debug and locale will shadow these two attributes and their use is therefor discouraged.
MailHost: メールの配信にzope.sendmailを使うようになりました。これによ り、MailHostがZopeのトランザクションシステム(コンフリクトエラーでの送 信emailの複製を除く)に対応しました。追加で、MailHostが非同期メール配 信サポートに対応しました。 'Use queue' コンフィグオプションにより、フ ァイルシステム上に('Queue directory' 以下に)メールキューが作成され、 queueスレッドが起動し3秒ごとにqueueをチェックします。これにより、メー ル送信時の衝撃を吸収します。また、MailHostにTLS/SSLによる暗号通信サポ ートが追加されました。
ZODB 3.8 にインテグレートしました(BLOBサポート対応)
最新の Zope3 コンポーネントをインテグレート(Zope 3.4)
Windowsでzopectlを使えるようになりました。全てのコマンドがサポートさ れています。また、Windows専用に2つのコマンド install と remove が追加 されています。これらはWindows Serviceへの登録と解除を行います。 start, stop, restart の各コマンドはWindowsサービスを操作します。これ らのコマンドを使用する前に 'binzopectl install' を一度行う必要があり ます。
ZCatalog の返値となるobject (catalog brains) は ZCatalog.interfaces.ICatalogBrains インターフェースを持つようになりま した。
新しいモジュール, AccessControl.requestmethod は一つのリクエスト利用 にのみメソッドの利用を制限するデコレータファクトリーを提供します。例 えば、メソッドを @requestmethod("POST") のようにマーキングすると、 publish時にPOSTリクエストでのみ利用できるよう制限されます。いくつかの セキュリティーに関連したメソッドはPOSTのみに制限されます。
PythonScripts: Pythonのsetsモジュールを使えるようになりました。
'fast_listen' ディレクティブをetc/zope.confの http-server と webdav-source-server セクションに追加しました。これにより、起動フェー ズでソケットを開く順番を遅らせます。これはZopeがロードバランサーの背 後で動作している場合などの特定の状況で使用します。(patch by Patrick Gerken)
ZopePageTemplate の内部実装にunicodeを使用するようにしました。非 unicodeインスタンスはon-the-flyでunicodeに変換されます。ところでこれ が正しく働くのはZPTインスタンスがutf-8かISO-8859-15でエンコードされて いる場合のみです。他のエンコーディングの場合は、環境変数 ZPT_REFERRED_ENCODING の値のutf-8とISO-8859-15の前に使用するエンコー ディングを設定してください。
'output_encodings' プロパティーが、WebDAV/FTP操作での各エンコーディン グとunicodeとの相互変換をコントロールします。
ZPTの実装はUnicodeDecodeError時の振る舞いについてコンフィグ出来るよう になりました。カスタム UnicodeEncodingConflictResolver をZCMLで設定す ることが出来ます。詳しくは Products/PageTemplates/(configure.zcml, unicodeconflictresolver.py, interfaces.py) を参照のこと。
AccessControl.Role: 新しいメソッド manage_getUserRolesAndPermissions() が追加されました。
AccessControl: "Security" タブのフォームに新しくユーザーに関連したパ ーミッションとロールのフォームを追加しました。
Zope 3 ベースの、Zopeが起こしたいくつかの例外のための例外viewをZCMLで 登録できるようになりました。例外Viewを以下のように登録できます:
<browser:page for="zope.publisher.interfaces.INotFound" class=".view.SomeView" name="index.html" permission="zope.Public" />これに関連する、Viewを持っている例外は:
zope.interface.common.interfaces.IException
zope.publisher.interfaces.INotFound
zope.security.interfaces.IForbidden
zope.security.interfaces.IUnauthorized
注意として、例外viewが動作するためには name は 'index.html' でなけれ ばならない。(patch by Sidnei da Silva from Enfold, integration by Martijn Faassen (Startifact) for Infrae)
DateTime のタイムゾーンデータに pytz を使うようになりました。これによ って多くのタイムゾーン追加と夏時間情報の更新されました。
バグ修正(Bugs Fixed)
Collector #2113 : 'zopectl test' が Ctrl-C をマスクしていて効かない問題.
Collector #2190 : zope.security.management.checkPermission 呼び出しがZope2のセキュリテ ィーポリシーに迂回されていなかった。
注意: もしあなたがすでにZope2.10のインスタンスを使用しているなら、 イ ンスタンスを作り直すか、以下の数行をetc/site.zcmlファイルに追加する必 要がある:
<securityPolicy component="Products.Five.security.FiveSecurityPolicy" />Collector #2223 : TALESにおけるboolean評価時のdefaultの扱いについて。
Collector #2213 : "古い" ZopePageTemplateを編集できない問題を修正。
Collector #2235 : いくつかの ZCatalog メソッドがオブジェクトのブール評価行っていたため、 Noneではなく__len__で評価されていた。いくつかの 'if not obj' を 'if obj is None' に置き換えた。
参考: CHANGE.txt の原文(英語)